わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 そこで言葉を切るのは、やっぱり変わったと思う。

今までといっても四年前だったら、毎日のように、聞いてもいないのに日々の出来事を語ってきていた。

 彼がすっと立ち上がる。机の上にあるコップを手に取ると、一つをわたしに差し出してきた。

「飲む?」

 落ち着いた声に思わずうなずくと、コップを受け取る。

 やっぱり変わったと思う。昔と変わっていないところはあるが、昔はこんなに大人びた雰囲気をかもし出すことはなかった。

 拓馬は変わって、わたしはほとんど変わっていなくて。その事実がどこか寂しい。

 そのとき、拓馬の制服から電話の着信音が響いていた。
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