わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 変わっていないけど、変わっていて。そのことは必要以上にわたしを戸惑わせる。

ただ、この戸惑いが恋であるかと問われたら、真っ先に否定していた。

ただあまりの変化にわたしの心がついていけないだけなのだ。

一ヶ月もすれば昔のように普通に接することができるはずだ。

「美月ってさ、昔から青系がよく似合うよね」

 彼は目を細めていた。だが、紺色の制服を見て、首を傾げる。

確かに青系だが、この制服を見て似合うというのだろうか。

他に何か拓馬に青系のものを着ているのを見られただろうかと思ったとき、脳裏に蘇るのは今朝みたパジャマのことだった。

「今朝のことは忘れてください」

「別に恥ずかしがらなくてもいいんじゃない? あんなの子供のときに見慣れているって。昔は一緒にお風呂に入ったりしたんだから」

 わたしをからかうためではなく、まじめな拓馬の表情を見ていると本気で言っているのだろう。

なんともいえない複雑な気持ちだった。
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