わたしは年下の幼馴染に振り回されています
 大体わたしのことが好きらしいのに、ここまで動揺しないってありえない気がした。

「恥ずかしいことは言わないで。もう昔とは違うんだから」

 わたしは頬を膨らませると、頬をそむけた。

口にして、まるでわたしが幼馴染に恋焦がれてるような台詞を言っていたことに、口にして気づいた。

「そんなにいじけなくていいのに」

 拓馬にキスをされたけどわたしに対する態度は好きな子に対する態度というよりは、近所の子供に対する態度をとっているような気がする。

好きな子相手ならもう少し特別に接してもいいんじゃないかと思うくらいだ。

奈月を好きだと言っている田中くんなんかは彼女がいるいないによって態度が明らかに変わる。

彼の本心は大人びた顔立ちを隠してしまっていた。


「今日、友達に美月と噂になっている相手のことを聞いてみるよ」

「言わなくていいよ」

「美月を悩ませるものは一つずつ解決しないとね」

「だからそれはもういいの」
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