Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
建物の中に戻されると、食堂のような部屋に連れて行かれ、椅子に座らされる。
目の前のテーブルには湯気の出ているカップが置かれていた。
「飲め。口に合うかどうかはわからんが、気が鎮まる成分が入っている。それを飲んで少し落ち着くんだ」
そう言われ、仕方なしにそのカップを口に運んだ。
ベリーのような味がして、ほんのりと甘く酸っぱい。
少しだけれど、気持ちの高ぶりが落ち着いていくのが分かった。
「・・・美味しい」
「そうか。なら良かった」
カップを両手で押さえながら、中を一点に見つめる。
液体がゆらゆらと揺らめく。
その揺らめきに、ぽたりと涙が落ちた。
私の身に、一体何が起こっているんだろう。
いつも通り、ただ電車に乗って学校に行こうとしただけなのに。
寝坊した以外は特に何も変わらない朝だったのに。