Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「リオンの国では、この瞳は一般的なのですか?」

「うん、そうだね。私の住む国では、ほとんどが黒い瞳、かな」

「この世界では、この色の瞳を持つ人間は私だけ。・・・小さい頃はよくこの瞳の色で気味悪がられたりした事もありました。ある程度年齢が上がってからはそういうことはなくなりましたがね」

「そうだったの・・・」

「みんなと違う瞳の色に、寂しさやもどかしさを覚えた事もあります。なぜ、私は一人この瞳を持って生まれたのか、普通の人間ではないんじゃないか、と思った事もあります。・・・でも、リオンに会えてよかった。私は確かにあなたと同じ血が流れているのですね」

ジェイクは胸に手を当てて、瞳を瞑る。
その顔は、安心したようなそんな穏やかな顔だった。

「嫌な思いを沢山したんだね。・・でも大丈夫よ、この世界ではないけれど必ずいるもの。貴方はひとりじゃない」

私もジェイクを見て、そう思ったもの。
同じ瞳の色。それだけで安心したもの。

「リオン、もし・・・」

やがてジェイクは静かに目を開ける。
そして視線を私に向けて、こう言った。

「もし、元の世界に戻れないとしたら、あなたはどうしますか?」


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