Repair of the world～フルート吹きの魔法使い２～

旅立ち

バン、と乱暴に部屋の扉が開いた。

その音に私は扉の方向へと目を向ける。
そこには険しい表情を浮かべたウェインが立っていた。

「ウェイン、どうしたの・・・？」

「大丈夫だ、お前は必ず帰れる。ジェイクの言葉に惑わされるな。何が何でも俺がお前の帰れる術を見つけてやるから。・・・そんなに絶望的な顔をするな」

私の肩に手を置いて、ウェインはそう話した。

「私、そんな顔をしてた・・・？」

「ああ。でも、そんな顔になるのも仕方ない。自分の世界に戻れないと突然言われたら誰だって絶望的な気持ちになるだろう。確かに、今お前を戻す術はない。でも、ここに来れたという事は、必ず戻る事が出来るはずだ。必ずそれを見つけ出して見せるから、だから、元気を出してくれ、頼む」

懇願するように、私の瞳を見つめてウェインはそう言った。
真剣な眼差しにドキリと胸が鳴る。