Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「う、うん。分かった。ウェインを信じるよ」
そう言うしかなかった。
本当はまだジェイクの言葉に戸惑う私がいる。
怖くて、不安で仕方がない。
だけど、ウェインのその瞳を見たら、それを信じるほかなかった。
上手く笑えているかどうかもわからないけれど、これ以上心配させまいと無理に笑みを作ってそう答えた。その言葉にウェインは少しホッとしたような表情を浮かべている。
「ありがとう。もう動けるか?」
「ええ、なんとか」
「そうか。急だがここを出る。準備をしてくれないか?このままここにいるのも危ない、移動しよう」
「移動するって、どこへ?」
「俺の国へ一旦戻る」
そう言うと、ウェインは慌ただしく準備を始めた。私もベッドから離れ、持ち物を纏める。
準備をしていると、パタパタと廊下から足音が聞こえ、扉の前に現れたのはリリスだった。