Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
ウェインがこんなに不機嫌になっているのって、もしかして・・・。
ジェイクが私に言った言葉・・・?

なぜか心が高鳴った。
どうなのか聞こうにもジェイクが隣にいるし、ウェインの背中から出る怒りのオーラが物凄く怖くて、話し掛ける事が出来ない。
ただ背中を見つめている事しか出来なかった。

私の為に、そんなに怒らなくてもいいのに。
どうしてそんなに私の事を気に掛けてくれるんだろう?

私がフルートを吹ける唯一の人間だから?
この世界を救えるかもしれないただ一人の人間だから?

それとも・・・?

ストールの中の温度が一気に上がったような気がして、ハッと我に返り思わず顔を左右に振る。

やだもう!また私、何考えてるんだろう!
そんな訳ないじゃん!
こんな時に変な事考える私、どうにかしてる!

だって、ウェインは私を元の世界へ返す方法を探すって言ってたんだし。
返すって事はさ、そういう事じゃん。
私の事なんかそんな風に思っている訳ないんだよ。



・・・あるわけないんだから。

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