Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「ええ。リオンを一目見たときから、ね。同じ瞳の色を持つリオンを見て、同士であると少し親近感を持ったと同時に、私の心の中は激しく高鳴りました。この世界に私だけがこの瞳を持ち、そして同じ瞳のリオンが目の前に現れた。その時思ったのです、これは運命なのだろう、と」

運命・・・?そんな戯言をよく言えたもんだ。
リオンはお前と会うためにこの世界に来た人間ではない。
荒廃したこの世界にたった一人で、この世界を救うためだけにこの世界に呼ばれた人間だ。
それだけでもリオンにとっては悪夢以外のなにものでもないのに、よくそんな風に言えたもんだ。

俺達がそんな事を考えてはいけないんだ。
リオンがこの世界を救った時、彼女の役目は終わる。
その時こそ、彼女の一番の幸せを叶えてやる事が俺達の使命ではないのか?

「お前は・・・こうは思わないのか?愛しているからこそ、一番望むものを叶えてやると。愛する者が望む事を考えてやる、それが幸せにしてやる事だとそう思わないのか?」

ウェインは拳を強く握った。その拳は小刻みに震えている。

ジェイクの独りよがりなその想いが許せなかった。
璃音の事を考えているようで、何も考えていない。
全ては自分の望みだけではないか、と。

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