Repair of the world～フルート吹きの魔法使い２～
「・・・ああ！ウェイン殿下！生きていらっしゃった！」

細長く暗い廊下を進み、やがて開けた場所へと出ると、ウェインの姿に気付いた中年の男性がそう声を上げ、ウェインの元へとやってくる。
その男性の声に、何人かの人間も反応して部屋から出て駆け寄ってきた。

皆、ウェインの顔を見て、安心したようなそんな笑みを浮かべている。中には涙ぐみながらウェインが生きているのを確かめるように、身体に触れている者もいた。

「皆元気だったか？病気などしていないか？」

「ええ、なんとか・・・！それよりも殿下が元気でここに帰ってきてくれた事が、何よりも嬉しくて私は・・・！」

「泣くな、エルスト。俺はこの国をこのままの状態で死ぬ事は出来ない。・・・大丈夫だ。それよりも兄はどこにいる？」

「ヴァイス殿下は奥の部屋にいらっしゃいます。・・・おや、後ろの２人は」

「後で説明する。とりあえず今は兄に会いたい」

ウェインに促され、私達は奥の部屋へと行く。
ウェインが扉を叩き、声を掛けるとウェインに似た声が返ってくる。
そして、こちらから扉を開ける前にその扉は開かれた。

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