Repair of the world～フルート吹きの魔法使い２～

「まさか・・・。そんな事が・・・！」

「そのまさかだ。リオンと出会ったのは偶然だったが、アルデハラに伝わるあのフルートを直し、吹く事が出来る唯一の人間。この世界のたった一つの希望。もうリオンに賭けるしかない」

そう言われて少し、身体を縮こまらせた。
そんな希望なんてまだあの曲も吹けないのに、そこまで期待されてしまうと、ちょっと困る。

「リオン、本当にあの「ルリ」様と同じ世界から来た人間なんだな。それは嘘ではないのだな？」

「ま、まあ。この世界の人間ではない事だけは確かです」

「そして、ジェイク。君も「ルリ」様の血を引く人間と。それも嘘ではないのだな？」

「この瞳を見て貰えば分かるでしょう。リオンと同じ色の瞳を」

ヴァイスは私達の瞳をじっと交互に見る。
見つめるその瞳がとても美しくて、思わず見とれてしまった。

「・・・確かに。今まで黒色の瞳を持つ人間は見た事がない。本当に「ルリ」様とゆかりのある者達なんだな」

ヴァイスは少し安心したように笑みを浮かべて、そう話した。
ジェイクは無言で頷く。