Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
カズマさんは荒くなった息を落ち着けるように、深呼吸を何回かすると私を見据える。
そして、こう言った。

「こんな曲じゃない。もっと純粋に、世界を救うためだけのそんな曲を書く。俺の曲にその力があるのなら、後世に残っても自分自身が後悔しない、そんな曲を今からこれからの未来の為に書くよ。・・・大丈夫、必ず未来は明るいものになる、安心しろ」

少し笑みを浮かべると、カズマさんは勢いよくテントを飛び出していった。
後を追おうとしたところで、族長がに呼び止められる。

「カズマは曲のイメージを掴むために一人になりたいのだと思う。今はカズマを信じるのだ」

「でも・・・!」

「大丈夫だ」

族長の目は真剣で、その瞳に私は従うほかなかった。


外はすっかり夜になり、星が綺麗に瞬いていた。
カズマさんは自分のテントに篭り、鍵をかけれられて中を伺う事が出来ない。
仕方なく外で地べたに座り、星を眺めている。

そう言えばこの世界に来てから、ちゃんと夜空を見たのは初めてだ。
この世界もあの大きな宇宙の中の一つの星なんだ、とこの夜空を眺めて思う。
この星のどこかに、私のいた星はあるんだろうか。

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