Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「・・・寒くない?」
そんな事をぼんやりと考えていると、鮮やかな布を手に持ったリリュアさんが私に声を掛けてくれた。
気を遣って羽織るものを持ってきてくれたらしい。
「あ・・・。大丈夫です、リリュアさん。すみません」
「ごめんなさいね、あの人楽譜を書く時に誰も家に入れずに篭ってしまうの。その時は私も何日か家に入る事が出来なくて、その時は族長のお世話になったりするのよ」
そう言ってリリュアさんは少し困ったように笑い、そして手に持っていた布を私の肩から掛けてくれる。
その布からはお香のような独特な匂いがふわりと香った。
どこか懐かしいような、そんな香り。
リリュアさんは私の向かいに座り、そして私と同じように星を眺めた。
「綺麗な星ね。まるで宝石みたい」
近くで見るリリュアさんは、とても綺麗だった。
ブロンズの少しウェーブのかかった長い髪が風に揺れて、ハッキリとした二重の奥から見える銀色の瞳が、空に瞬く星のように輝いている。
フランス人形のような、美しい女性。
どうして異世界から来たカズマさんと一緒になったのだろう。
リリュアさんを見ていて、ふと疑問に思う。