Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「リオン、一つだけ言うわ。その気持ちに素直になる事、決して意地を張らずに素直に受け止める事。それだけで絶対に後悔はしないわ。自分の気持ちに嘘を付く事だけは、止めた方がいい」

「リリュアさん・・・」

その言葉が心に染みて、また涙が溢れる。

素直になる事。
自分の気持ちに嘘を付かない事。

ウェインに私の気持ちを伝えた時、ウェインはどんな反応をするんだろうか。
それは今考えても分からない。
だけど、どんな結果になろうとも、決して後悔だけはしないように。

夜がだんだんと深くなり、風がさらに冷たくなる。
私達は族長のテントで一夜を明かす事になった。

その日は明け方まで眠る事が出来ずに、目を閉じながらずっと考えていた。
やがて浅い眠りの中でぼんやりと映し出されるのは、ウェインの顔。

その顔は笑顔だった。

それはきっと夢。夢の中の、ウェイン。
だけど、不思議と私の心の中は幸せで、とても満たされていた。
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