Repair of the world～フルート吹きの魔法使い２～

「ウェイン・・・」

「お前、今までどこにいたんだ！？何日か姿が見えなくて、一人でここからいなくなったと思って俺は・・・！」

どうやらあの時代で過ごした日数と同じ時間が流れていたようだ。
私がいなくなって必死で探していたのが、その表情と口調で分かった。

「ごめん、ウェイン。あのね・・・」

ウェインは私の元へ駆け寄ると、私が話すのを遮るようにそのまま私を抱きしめる。
それは息が出来ないくらいに強く、強く。

「馬鹿野郎・・・！俺に何も言わずにいなくなるんじゃねぇ！どれだけ心配したことか・・・！！」

「ちょ・・い、息が・・・！」


ウェインの身体は少し震えていた。

それでも力が弱まる事はなくて、仕方なく無理矢理顔を動かし呼吸が出来る場所まで顔をずらして、そして背中に手を回して安心させるようにポンポンと軽く叩いた。


「・・・ごめんね。でも突然だったの。そこにある本が光って、この楽譜を書いた人が生きていた世界へと連れていかれちゃったんだよ」

「・・・なんだって？この楽譜が書かれた世界へ？そんなまさか」


「うん。信じられないけど、本当の話。そこで私と同じ世界から来た人に会ったの。その人にね、新たにこの世界を救う曲を作ってもらったんだ。とても素敵な曲。・・・多分私吹けると思う。きっとこの世界を救う事が出来ると思うよ」