Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~

「・・・出てきてやったぞ、ヴォルデルト」


私を庇うように前に立ち、ウェインは片手を前に出し構えながらヴォルデルトの前に姿を現した。
私達の近くにはジェイクが剣を構え、ヴァイスも呪文を唱えて次の攻撃に備えている。

ヴォルデルトは私達を睨みつけると、魔法を出すの止め、ゆっくりと空中から下り地面に立った。

森でやられた時の傷なのか、顔は半分同じように焼けただれて、赤くケロイド状になっている。
しかしその奥でさらに血走るような瞳がギラリと光って、私の背筋をゾクッとさせた。


「ようやく出てきたか、ウェイン」


城は轟々と音を上げて、燃えている。
その炎から逃げるように、シェルターにいた人々が少しでも安全な場所へと逃げていくのが見えた。


熱風が私達の間を通り抜ける。
だが、ヴォルデルトを前に、その熱さも気になる事はなかった。

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