Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「怖いか?私の顔が・・・。私には再生という能力が備わっていない。やられてもこのまま治る事はないんだよ。お前のそのペンダントの力で両手とこの顔が焼けただれ、じりじりとひたすらに痛む中で、私は今生きている。痛いねえ、そしてその痛みはどんどんと増していって・・・」
そう言いながらもヴォルデルトの顔には笑みが浮かんでいた。
その異様な笑みに、恐怖でヴォルデルトの顔を見ていられずに逸らしてしまう。
「お前に殺された者達の苦しみに比べたら、その程度はどうってことない!」
ウェインは叫んだ。
だがヴォルデルトは表情を変える事はない。
「私は感謝しているんだよ。そう、私の求めていた世界はこれだ、皆が苦しみ悶えて死していく世界。泣いても叫んでも望みのない世界・・・」
ひゃははは、と声を上げてヴォルデルトは笑った。
だが瞳はより赤く光り始める。
その異常な光景を前に、ウェイン達は構えを強くする。