Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「―――吹かせてたまるか!!!」
そうヴォルデルトが叫び、私に向かって閃光を放つ。
「・・・危ない!!!」
ウェインは咄嗟に私の身体を覆うように抱き、その閃光をもろに食らう。
魔法の衝撃でそのまま後ろに倒れ込み、その勢いでフルートを遠くへ手放してしまった。
だが、フルートよりも目の前のウェインの事が心配で、庇うウェインに声を掛ける。
「ウェイン!!」
「ぐ・・・ぐはっ・・・・」
苦悶の表情を浮かべ、唸る声を上げながらガボッと大量の血を吐いて、その血がぼたぼたと私の身体にかかる。
その血が服に染み込んで、やけに生暖かく感じた。
そのままウェインは力なく私の身体に倒れ込んでしまう。
そんなウェインを支えるように抱きしめる。
「ウェイン大丈夫!?・・・こんな・・・私の為に・・・!」
「お前・・が、無事なら・・・いい」
血だらけの顔で、ウェインは私に笑みを零す。
その笑みに胸が引き裂かれそうになって、私は代わりに涙を零した。
死んじゃ嫌だ!
生きて!とさっき言ったじゃない。
ウェインが死んだら、私は・・・!