Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~

「・・・ああ、これが噂のフルートですね。このせいで私の崇拝するフィランドール様が、志半ばでやられてしまった」

背後でそう声が聞こえた。
後ろを振り向くと、私の手から離れたフルートが、いつの間にかヴォルデルトの手に渡っていた。
ヴォルデルトはフルートをまじまじと眺めながら、ふふふと笑い声を上げる。

「貴様!・・・返せ!フルートを!!」

ジェイクが剣を振り上げヴォルデルトに向かっていったが、ヴォルデルトの放った風圧で勢いよく弾き飛ばされて、地面に強く叩きつけられ、意識を無くしたのか動かない。

ヴァイスはヴォルデルトに魔法を掛けられ身動きが取れないのか、その場でなんとか動こうと悶えている。


絶体絶命だ。
私にはもうどうする事も出来ない。


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