Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「・・・・ウェイン」
俯くウェインの目線の先に、汚れた靴が覗く。
その靴は、この世界では見慣れないもの。
だけど、たった一人、ウェインの愛しい人が履いていた靴。
ウェインは信じられないと、そう思いながらもゆっくりと顔を上げた。
そしてその姿を見て、瞳が大きく見開く。
その瞳には涙が溢れ、しっかりと目の前の愛しい人を見つめていたいのに、その姿は大きく揺らぐ。
「戻ってきたよ、ウェイン・・・。あなたのために」
「・・・リオン」
「私ね、あなたの事を忘れたくないの。まだあなたにも気持ちを伝えていないのに、まだあなたの事も知らないのに、忘れるなんて自分にはとても耐えられないの」