Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
涙を流すウェインの頬を、リオンの手が覆う。
その手を愛おしそうに自身の手を重ねて、唇を寄せた。
「私も、ウェインの事が好きだよ。全てを投げ捨ててもいいくらいに、あなたの事が好き。今の私は何もないの。ここに戻る事であっちの世界で私を知る人達はみんな、私に関する記憶を無くしてしまった。だからね、今、私は独りぼっちでこの世界にいる」
「・・・俺がいる。俺がお前の隣にいるよ。ずっと、何があっても」
ウェインはリオンを抱きしめた。
もう離さないと言わんばかりに、強く、強く。
「愛している、リオン。・・・結婚しよう」
「・・・うん・・・!!」
―――2人の唇が重なる。
お互いの気持ちを確かめ合うように深く、情熱的に。
そんな2人を祝福するかのように、青い空に白い鳥が鳴きながら飛び立っていった。