Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「・・・帰ったのか」
「うん」
ジェイクを見送った後、地平線の彼方まで広がる緑を見つめていると、ウェインに声を掛けられる。
ウェインは私を後ろから抱きしめると、私と同じように緑の先を見つめた。
「綺麗な景色だな。・・・こんなに自然の色が綺麗なものだとは思わなかった」
「そうだね。この世界にこの鮮やかな色を取り戻せて良かったと思ってるよ」
「・・・そう言えば、ヴォルデルトなんだがな」
そう言ったところで、少し言いにくそうに口を噤む。
私は怪訝な顔を浮かべ、ウェインを横目で見た。
「・・・どうしたの?」
「・・・自ら命を絶った。元は彼の体内にいたあの黒い煙、フィランドールの怨念が彼を操り、このような結果になってしまったが、良心の呵責に苛まれ、耐えきれなくなってしまったらしい。昨日城の牢の中で・・・」
「・・・そう」