Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「どうしてこんなに荒れ果てているの?」

たまらず私はウェインに聞く。
ウェインは厳しい表情を浮かべながら静かに話し出した。

「・・・全てアイツのせいだ」

「・・・アイツ?」

「邪悪なる魔法使い、ヴォルデルト。俺たちの追っている男だ。こいつのせいでこの世界は滅びようとしている」

魔法使いヴォルデルト・・・。
その男がこの世界をこんなに荒れ果てさせているっていうの・・・?

「ほんの数年までは至って平和な世界だった。けれどヴォルデルトが突然現れ、自身の魔法の力で国中を破壊し人々を絶望の淵へと陥れていった。世界中の魔法使いや戦士達がヴォルデルトを倒しに向かったが、誰も倒す事が出来ずに命を落としていって・・・・。結果この有様だ」

「そ、そんなとんでもない魔法使いに戦いを挑もうっていうの!?」

「そうだ。もう魔法の使える人間も戦える人間も残り少ない。現状では奴に勝てない事も分かっている。でもだまってこのままこの世界が死んでゆくのを、黙って見てなんていられないだろう?」

「そ・・・それはそうだけど・・・」

・・・なんて厄介なものに巻き込まれちゃったんだろう・・・。
ウェインに付いてきた方が余計危ない目に合うって事じゃないの。

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