Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「・・・けれど、一筋の光が見えた」

そう言うと、私の顔をじっと見る。
私は思わず固まってしまう。

「これから行く場所はアルデハラ国の城下街、ウィルムという所だ。・・・かつてこの世界を救った偉大なる魔法使いのいた国。そこに彼女が使っていたと言われるフルートが祀られている。誰も吹く事が出来ずにいたが、もしかしたらお前なら出来るかもしれない」

「わ、わたしっ!?」

「そうだ。そのフルートでお前も魔法が使えるのなら・・・。一つの賭けだ」


・・・なんてこった。
300年も前のフルートなんて、手入れしてないならタンポもボロボロで使える訳ないじゃん。
しかも私、吹いていた楽器違うし・・・。
フルートなんて修理した後の試奏ぐらいしか吹いた事ない。

そんな私に望みをかけられても・・・。

「無理よ、私では」

「そんなの行ってみなきゃ分からないだろう?」

「でも!」

「ならばここでのたれ死ぬか?」

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