Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「誰も・・・いないじゃない・・・」
「生き残った者達が城の地下に避難し、そこで生活しているはずだ。・・・行こう」
そう言って城へと続く真っ直ぐな道を突き進んだ。
城の入口の扉は、半分壊れかけていた。
城壁にべっとりと付く乾いた血の跡。錆びかけた剣。
ここの戦士なのか騎士なのか、着用していたと思われる割れた鎧・・・。
激しい攻防があったとそれだけでわかった。
その光景を見るだけでもいたたまれなくなって、胸がギュっと締め付けられる。
「ひどい・・・」
「こんな光景はどこでも見られる。人を虫けらのようにアイツは殺していった。・・・地獄絵図だよ、まさに」
壊れかけた扉をくぐり、城の中へと入った。
中は暗い。ウェインとリリスは呪文を唱え、掌に炎を出した。
ぼわりと辺りが見えるようになる。
城の中は落ちたシャンデリアや飾ってあった花瓶などの破片がそこら中に広がり、二階へと上がる階段も上半分崩れて無くなっていた。
「地下への階段を探す。お前はリリスとここで待っていろ」
そう言って、一人城の奥へと消えていった。