Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
疑問に思いながらも、聞く間もなくウェインは階段を下りて行ってしまう。
私は慌てて後を追った。

階段を下り切ると、またそこには扉。
重厚そうな扉だ。
ウェインは扉越しに声を掛けた。

「誰かいるか?私は敵ではない、お願いがあってここに来た。良ければここを開けてはくれまいか?」

少しの沈黙が流れる。
扉の向こうからは、何も聞こえない。

「やっぱり、人なんかいないんじゃないの?」

諦めかけたその時、その扉はゆっくりと開かれた。


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