Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「・・・して、危険を冒してまで、なぜここへ?」

「はい、実はこの国に伝わるフルートを求め、こちらへ伺ったのです。その昔偉大なる魔法使いが、銀の横笛を吹きこの世界の危機から救ったと。そのフルートをぜひ私達に貸していただけないでしょうか?」

「フルートを・・・!?」


"フルート"と言う言葉に反応し、国王は椅子から立ち上がった。


「私達はヴォルデルトを倒すため旅をしています。ヴォルデルトを倒すにはどうしてもその楽器が必要なのです」

その話を聞いた国王の顔が、一瞬にして曇る。

それもそのはず。
この国で祀られてるものを寄越せ、って言ってるんだから仕方がないだろう。


「何を申すか。あれだけは渡せぬ。フルートだけは何があっても守らねばならないと言われておる。それをお前たちに渡すわけには・・・!」


「そのフルートが、この世界を救う事が出来るたった一つの希望かもしれないのです。・・・それでも?」

「・・・なに?」

< 37 / 206 >

この作品をシェア

pagetop