Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
『・・・歴史は繰り返される。その事に危惧したワシは、死ぬ間際に最後の力を振り絞りこの魔法を掛けた。そして死んでもなお、魂だけはこの場に留まった。・・・全てはこの世界を救うものを守る為だけにね』

「世界を救うもの・・・?」

『ああ。その昔、ルリがこの世界にいた頃、同じようにこの世界を破壊と絶望の淵に追いやろうとする者がいた。それをルリの吹くフルートで防ぐ事が出来たのだ。この先の家にその楽譜が保管されている』

『その戦いの後、ルリがワシに楽譜を預けたのだ。その楽譜は必要ないと。・・・しかし、人は同じ過ちを繰り返す。また再びこの世界が恐怖の闇に覆われた時、必ずこの楽譜が役に立つだろう、と。それまでこの長い時間、ただひたすらにこの森で留まっていた』



木々の隙間から、小さな小屋が見えてくる。
どうやらモールの話す家、というのはその小屋のようだ。


小屋に近づくにつれ道が開け、そして小屋の前の庭へと出る。
その庭には色々な花々が咲き誇り、風に揺れていた。



< 64 / 206 >

この作品をシェア

pagetop