Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「おはな・・・!!きれい!!」

リリスは嬉しそうな顔でそう言うと、庭を走り回る。
ウェインとジェイクもまた、その庭にため息を漏らす。

『・・・私が生きている頃、ルリはここでよくフルートを吹き花を咲き乱らせていた。その花がこうやって死ぬ事なく咲いているのだよ』

「ルリさんが・・・。この花を・・・・」

『そうだ。これはルリの思い。平和と幸せを願う花々・・・』



――――この庭の真ん中で、フルートを吹く女性。


一帯を駆け巡る音に合わせて、花が咲いていく。

女性の傍らで優しい笑みを浮かべて、男性がその音を聴いている。



そして、立ち上がると女性に軽くキスをする。

2人はお互い見つめあって、そして笑い合う。



幻影なのか、それは分からない。

その光景がいきなり目の前に広がった。

・・・・なんて平和で、穏やかな昼下がりだろう。
ルリさんはこの世界でこんな日々を過ごしていた・・・?

知らないうちに私の頬を涙が伝っていた。

何故なのかは分からないけれど、胸がぎゅうっと締め付けられて、苦しくて、切ない。



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