Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
『――――おい』
・・・後ろから誰かの声がする。
ウェインでも、ジェイクでもない声。
顔を上げ、後ろを振り向いた。
『いつまで泣いている?』
そう言った男の姿は、あの時庭で見た幻想の男。
「ルリ」さんの吹くフルートを聴き入っていた、あの人だった。
「・・・あなたは・・・?」
『私の名はフラン。ルリの夫だった者。・・・君がルリと同じ世界から来た女か』
「そ・・・そうだけど、・・・幽霊?」
よく見ると身体が少し透けている。
モールは少し靄もやがあるものの、身体は生身の人間と変わらずちゃんとしていたから、さほど恐怖は感じなかったが、さすがに半分透けていると少し怖い。
少し怯えながらも、私はフランと言う男に聞いた。