Repair of the world~フルート吹きの魔法使い2~
「も、もういい?」

「・・・名残惜しい。もう少しダメか?」

「・・・・ダメ。彼氏でもないのに・・・!」

その言葉でウェインは私から身体を離した。
心臓の鼓動はとんでもなく早く打ち付けていて、当分収まりそうもない。

「悪い。お前の事を考えずに」

「う、ううん。元は私が・・・。だってウェイン泣きそうな、辛そうな顔をしてたから・・・」

「・・・優しいんだな。リオンは」

「そんなこと・・・」

「リオンは、あっちの世界では誰か相手でもいたのか?」

「え?・・・あ、前はいたけど、今はひとりだよ?」

「・・・そうか」

そう言うと、何か考えるように私から目線を外した。

ウェインが何かを考えている時眉間に皺が寄った怒ったようなそんな表情になる。
(それに気づいたのはつい最近の事だけど)

私はと言うと、なぜいきなりそんな事を聞いたのか、少し戸惑っていた。


< 94 / 206 >

この作品をシェア

pagetop