黒の翼に恋されて
そのくらいあのカラスを信頼しているんだ

だから今まで一日も欠かすことなく朝に来ていたのに、今日急に来ないとなると心配してしまう…

『あのカラスが無事でありますように…』

ぎゅっと目を瞑りそう呟いた

もう、大切な存在を失いたくない…

例えその相手が一羽のカラスであろうと…

涙が出そうになったそのとき、玄関の扉を誰かが叩く音がした

『だ、誰…?』

普通ならインターホンを鳴らせばいいのに何故扉を叩いているんだろう…

宅配便なら来る前に電話をくれるからきっと違う

叔母さんと叔父さんかと思ったけど、連絡も無しに来る人達ではない

『ど、どうしよう…』

こういうとき、何で一人暮らしをしたんだろうって思ってしまう…
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