優しい呼吸
外へ外へと向かっていった人々が、地球を忘れてしまって久しい。
地球は度重なる環境破壊によって、取り返しのつかないところまで枯れてしまっていた。
人々の住める地は年々減り続け、今ではほんの少ししか残っていない。
仕方がないので多く人々は、新しい居住星を探して船で旅だっていった。
残された人々は、彼らが良い報せを持って帰ってくるという、小さな希望にすがって生きている。
だが、数百という時を越えても、誰ひとりとして帰って来なかった。
いつまで待っていればいいのだろう。
残された人々は、一人、また一人と減っていた。
また、誰かが意味もなくプラスチックロケットをあげる。
ひゅるひゅるひゅる。