夜は永遠に華を抱く
「嘘…、なにこれ…! おかしいよ!」

「な、何? 音が聞こえ無い…、さっきまで歩いてた人達はどこに…」


まるで、時が止まったようだった。
いや、実際止まってしまったのかもしれない。
さっきまで聞こえていたクリスマスソングも、冷たい風も、聞こえないし、感じない。
歩いてた人達も見当たらない。


「……しまった」


いつの間にか私達のそばに着ていた真澄先生が辺りを見回しながら、小さな声で呟いた。
私の手を握る友佳の手が凄く冷たく、震えている。


「貴女達、今から一言も喋っては駄目よ。何があっても、何を聞かれても」


そう言った先生は、私達を自分の背に隠すように前に立った。


「絶対に喋っては駄目よ」


先生が更に念を押す。
と、同時に冷気が体を包み、辺りが光に包まれて思わず目を瞑った。

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