♥同居人は♥オカマです!
大好きだった、いや、今も大好きなあの人に、好きの二文字も言えなかった自分が何よりも情けない。
たくさん泣いたからか、やる気が一気に失せたからか。
必死に取り組んでいたあの格闘技をやらなくなった。
そしてどす黒い世界からようやく足を引いた。
それでもまだ、泣いても泣いても、涙は止まらない。
涙が出尽くしても、悲しくてたまらなくなり、私は嗚咽と吐き気を感じ、食事も喉を通らなくなった。
突然泣き叫ぶこともあった。
私は昔、まだ幼い頃に喘息を抱えていたのだが、それは小さい頃に治っていたはずなのに、むせび泣いたせいで、叫んだせいで、また再発した。
外にでるのがどうしようもなく嫌でしかたがない。
それでも勇気を振り絞って、中学二年生になった3日後に遅れて登校することを決意した。
*歌凛*「月影歌凛です。しばらく、休んでいましたがよろしくお願いします。」
自己紹介のときから、私を取り巻いていた人たちと、前のクラスメイトは気付いていただろう。
以前の私とは違うのだと。
声は小さくなり、つり上がっていた生意気な目元は年齢にそぐわず窶れて更けて見えた。
三日三晩、泣き崩れていたからだろう。
何もかもに疲れはてていたのだ。
前の仲間にも、声をかけられなかったし、女子にも何も言われなかった。