♥同居人は♥オカマです!

全員がテーブルに着き、それぞれがお互いにコップにジュースやお酒を注ぐと、乾杯をした。




✳︎二階堂✳︎「あー疲れた。一日中飛行機の中だったから窮屈で窮屈で」




✳︎お母さん✳︎「まあ、桜ったらあなたどうせファーストクラスでしょ?」




✳︎二階堂✳︎「そうだけど、プライベートジェットの方がやっぱり楽だし…。だけど日本だと面倒なのよ。置く所とかなくて」




ファーストクラスどころかジェット機だなんて、本当にこの人は私と次元が違う。




私のTHE 家庭の味みたいな料理なんて食べてもらって大丈夫だろうか。




✳︎お母さん✳︎「贅沢ねえ。私たちなんてエコノミーで我慢したのに。ねースミレ?」




✳︎スミレ✳︎「スミレはあれで平気だけどな」




ここで私は「ふふっ」と吹き出してしまった。




スミレの体なら、エコノミーでも十分広いからだ。




✳︎蓮司✳︎「スミレちゃんは小さいもんねー、俺なんてこんな体だから飛行機楽じゃないよ」




✳︎歌凛✳︎「スミレは小さいところが可愛いんですよ!あ、もちろん大きくなっても素敵ですけど」




自然と私はそう言い返していたのだが、スミレの可愛いところをあげたらきりが無い。




と、スミレが私の袖を軽く引っ張り、「お姉ちゃん」と小声で話してきた。




✳︎歌凛✳︎「どうかした?」




✳︎スミレ✳︎「このお兄ちゃん、お名前なあに?」




ここで私はハッとした。




お母さんには同居人の名前を早くも教えていたけど、スミレに話した記憶はない。




てっきりお母さんから聞いていたと思い込んでいた。




✳︎歌凛✳︎「ごめんね、紹介一度もしなくて。
このお兄ちゃんは、武藤 蓮司お兄ちゃんよ」




✳︎蓮司✳︎「あ、俺も自己紹介しずにいきなり話しかけてごめん、ビックリさせちゃったかな。
歌凛お姉ちゃんの大親友兼同居人です」




なぜか肩書きが増えている…更に、お母さんは何やらニヤニヤしているし。



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