♥同居人は♥オカマです!

✳︎スミレ✳︎「だってお姉ちゃん、ちょっと前まで元気そうじゃなかったもん。
スミレには優しかったけど、変な人たちと一緒にいるとき、いつも怒ったり、悲しそうだった。
病気になってからは、毎日毎日寂しそうにしてて、スミレ、何もできなくてごめんね」



あぁ、やっぱり、スミレにもわかってたんだな。



迷惑ばっかりかけちゃって、謝らなくちゃいけないのは、私の方なのに。




私はスミレのシャンプーでモコモコになった頭にシャワーをかけ、そして抱きついた。




✳︎歌凛✳︎「ううん、スミレは悪くないよ。
お姉ちゃんこそ、ごめんね。
お姉ちゃん今は、毎日がとっても楽しいの。心配してくれてありがとう、スミレ」




✳︎スミレ✳︎「うん!」




スミレは元気いっぱいの満面の笑みで、そう返事をした。




なんて可愛いんだろう。私はこの子の笑顔を見るだけでとても幸せな気持ちになる。




✳︎歌凛✳︎「本当に、ありがとね」



そう呟いて私は、スミレと浴室に入った。



浴室が大きいせいか、スミレは無邪気に泳ぎ始めた。




なるべく音を立てないよう平泳ぎしているのがとても可愛い。



スミレが一通り泳いでから、私たちはお風呂を出ることにした。




しかし、私は脱衣所であることに気づいた。




私の用意していた服が、明らかに変わっている。



しかも、ボトムスがない。



服自体はやや丈の長いワイシャツだけど、ボトムスなしで生活のできる長さではないし、そもそも私はこんなものを持っていた記憶はなかった。




✳︎スミレ✳︎「お姉ちゃん?」




✳︎歌凛✳︎「あ、うん」



どうしよう、早くしないとスミレの寝る時間が押すし、私も風邪を引いてしまう。




ここはとりあえずさっき洗濯機に入れておいたスカートを……




✳︎歌凛✳︎「あれ、私、スイッチ押してないはずなのに……」




なんで〜〜!?




まだ蓮司くんもお母さんも二階堂さんも入るから洗濯機回してないはずなのに!!
(一応ここには二台あるからそこはあまり気にしなくていいけど)



私はしばらくハシビロコウのモノマネをしていた。








✳︎歌凛✳︎「ね、ねえスミレ、悪いんだけど、私の服持ってきてくれない?」




✳︎スミレ✳︎「わかった!」




はぁ。誰が犯人かなんてお母さん以外想像つかないけど、とりあえずスミレに任せよう。




そして、この都合よく置いてあるシャツなんか絶対着ずにスミレが選んでくれた服だけを着ることにしよう!


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