♥同居人は♥オカマです!
✳︎歌凛✳︎「そ、そんなこと!」
✳︎蓮司✳︎「ううん、ごめん、いいんだよ。答えにくい事言っちゃったね。」
否定も肯定も、どっちをしてもいい方向に進む気がしない。
私はその場に座り込み、黙りこくることにした。
しばらくして、私は悪寒を憶え、くしゃみが出た。
さすがにお風呂を出てから数分経ってくると、寒気がする。
✳︎蓮司✳︎「大丈夫?バスタオルだけだと寒いよね」
✳︎歌凛✳︎「スミレが服を持ってきてくれるまでの我慢です」
✳︎蓮司✳︎「だからスミレちゃんが先に…。私ちょっとスミレちゃんみてくる!」
私が「待って」という前に、蓮司くんはバタバタと駆けて行った。
それはそれで私がこの状態だということをお母さんや二階堂さんにバレてしまうんじゃないだろうか…。
私は少し身震いしながら、体の水気をとり、そして不本意ながらシャツを着た。
しかし、この服は暖をとるには全く役に立たず、濡れたバスタオルの方がよっぽど暖かく感じた。
と、ドタドタと足音が二つ聞こえた。
✳︎スミレ✳︎「お姉ちゃん!服持ってきたよ!」
✳︎蓮司✳︎ 「歌凛! 服持ってきたよ!」
……2人ともでかい声で言わないで!!
✳︎スミレ✳︎「はい」
スミレが扉越しに服を渡してきた。
そう、こういうのよスミレ!落ち着いた色合いのフリルだらけの…ってなにこれ!?この前作ったワンピースじゃないの!?
私はくしゃみをしながらその服を着て、外に出た。
✳︎歌凛✳︎「スミレ〜、このお洋服どこから持ってきたの?」
✳︎スミレ✳︎「蓮司お兄ちゃんが選んでくれたよ」
あぁ、なるほど…なるほど。
✳︎蓮司✳︎「はっはっはー!どれが似合うかなぁと思ったら絶対それだったもん!
スミレちゃんもそう思うよねー」
✳︎スミレ✳︎「うん!」
シャツよりはましか…と思い直し、私はすぐに着替えた。
✳︎歌凛✳︎「2人ともありがとうございます」
我ながらどうしてこんな着もしないかわいすぎる服を作ってしまったんだろう。
こういう系統の服が嫌いなわけではないけど、ルミちゃんなんかの可愛らしい子の方が似合う。