♥同居人は♥オカマです!


✳︎スミレ✳︎「でも、蓮司お兄ちゃん、どうして知ってたの?」




着替え終わり、私たちは脱衣場から離れていった。




✳︎歌凛✳︎「スミレがお風呂から出たから、蓮司くん、順番通りに来たのよ。そしたら私がちょうどいて…」




なるほど、とスミレは相槌をうった。




私は少し寒気がしたので、スミレと一緒に自分の部屋へ行き、スミレと自分の髪を拭き、ドライヤーを掛けた。




これは風邪を引いてしまうような気がする。




裸だったのは短時間ではあるはずだけど、濡れていたし、お湯の冷めも早かった。




考えても仕方ない…私はスミレと一緒に下へおりて、キッチンから飲み物をとった。




スミレは冷たい牛乳、私はレンジで温めた牛乳だ。




✳︎スミレ✳︎「あれ?でも、お姉ちゃん、蓮司お兄ちゃんが来たってことは、お姉ちゃんそのとき、裸だったよね?」




牛乳をごくごく飲み干したスミレは、最悪のタイミングでその事を思い出した。




✳︎歌凛✳︎「あ、それは、えっと、不可抗力というか、えっと」




ダメだ、何も思い浮かばない。私は咄嗟の嘘やでまかせが苦手なのだ。




✳︎スミレ✳︎「その様子だと、お姉ちゃん、蓮司お兄ちゃんにその状態で見られたのはホントなんだね?」




スミレ…。スミレは、目が細くなっていつもより大人らしくそういった。




いつもは大人しいのに、こういう時は途端にいたずらっ子のような顔つきで真剣になる。少し怖いくらいだ。




全く、誰に似たのか。




✳︎歌凛✳︎「まあ、そうね」




✳︎スミレ✳︎「お姉ちゃん、蓮司お兄ちゃんと、仲良いね」




✳︎歌凛✳︎「え?まあ、お友達だし、一緒に住んでるから、仲はいいよ」




✳︎スミレ✳︎「それって、つまり、蓮司お兄ちゃんと…」




スミレ、何か勘違いをしているような…




スミレが言いかけた時、後ろから声がした。




✳︎蓮司✳︎「ふー、いいお湯だった〜」


< 232 / 250 >

この作品をシェア

pagetop