夏恋


この人がいなかったらあのままずっと触られてた。

ほんとに助かった…。


「いーえ!
もう大丈夫すか?」

「はい…なんとか…」

「無理しないほうがいいっすよ。
泣きたい時は我慢しないで泣いたほうがスッキリしますから」

「…っすみませ」


その人の言った言葉で張り詰めてた糸が一気に切れた。

怖かったし気持ち悪かった。

あのおじさんは反省とかしないんだろうな。

私のことなんてどうでもいいんだろうな。

結局今年もいい人見つけられなかったな…

もうお祭りに戻る気もないし、戻る気力もない。

またサキと女だけの夏だ…。

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