夏恋
それからしばらく歩いたけど、いい人は見つからず。

しょうがないからと花火を見た。

そして花火が終わり、帰ろうと出口へ向かっていたとき。


「え…?ちょっ」

「どした?」


なんか…お尻触られてる…?

いや、私の勘違い?

でも明らかに…


「…お尻触られてる」

「え、うそ!」

「どうしようサキ…!」

「ちょっと待って!
まいる!下向くな!」

「なんで?」


そして下を向いていた顔を上げると、サキは人の波に運ばれて遠くまで行っていた。

気づかないうちに流されてたんだ…!

だから下向くなって…

それなのに私が下向いたから…


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