姫と年下王子たち
「じゃあね…」


一度立ち止まり、それだけ言って部屋を出た。


泣いちゃダメと思っても、肩が小刻みに震える。


そしてあたしは、今日を最後に…コウタと別れた。



空はオレンジ色の夕焼けから、徐々に暗くなり始めていた。


あたしは地元へ帰ると、河原へ向かった。

川を前にして、河川敷に座り込む。


ヒュー…


冷たい風が吹き抜ける。


…あたし、コウタと別れたんだ。
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