姫と年下王子たち
「カズヤさんを…殴ったの?」

「…………」


あの鈍感な秋月さんが、確信を突いてきた。


思わぬ反応に、俺は一瞬黙ってしまう。


「人を殴ったぐらいで、血なんか出ないって」

「…じゃあその傷、どうしたの?」


秋月さんは、執拗に聞いてくる。


…もういいじゃん、そのことは。


できることなら、その話題には触れてほしくなかった。


だって、あんなこと…。
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