姫と年下王子たち
「ひなちゃんは、俺に余計な心配なんかしんでええの!」


桔平くんは、あたしの上に覆い被さった。


あたしにはまったく雪はかからないけど、桔平くんの背中には容赦なく雪が吹き付ける。


「桔平くん…、無茶しすぎだよ……」

「無茶とちゃう。俺がそうしたいから、してるだけなん!」


こんな状況においても、桔平くんは笑ってみせた。


あたし1人じゃ、…きっと泣き続けていたことだろう。
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