姫と年下王子たち
そのあとも、桔平くんはあたしを雪から庇ってくれた。



…どれくらい経っただろうか。


「桔平くん、…ほらっ!」

「…ん?」


覆い被さる桔平くんの体の隙間から、あたしは手をすり抜けさせて指差した。


徐々に、視界が開けてきた。


「…やっと止んだかっ」

「よかった…」


さっきまでの猛吹雪が嘘かのように、穏やかな太陽の光が雪雲からもれ始めていた。
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