姫と年下王子たち
「言われなくても、食べ物だってことくらいわかってるよ」


はぁ〜…。

ココアパン…か……。



「それじゃあ」


長谷川くんは緩んだマフラーを整えると、右手を上げた。


「うん、気をつけてっ」


あたしも手を振った。


「あっ」


すると長谷川くんは、数歩前に進めた足を止めて振り返った。


「今度のバイトのとき、ちゃんと言うから」

「言うってなにを…?」
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