姫と年下王子たち
その笑い声に、あたしは歯を食いしばった。


…本当は、薄々気づいていた。


目をつむったあたしの目の前で、なにが起こっているのか…。


“しばらくの間さ、…目つむっててくんねぇ?”


絢斗がこう言ったとき、おかしいなと思った。


今までやたらと、“俺は喧嘩が強い”と自慢してきた絢斗。

口だけじゃなく、黒龍の人たちに聞いても、本当に喧嘩で一度も負けたことがないらしいし。
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