姫と年下王子たち
「…そっか。よかった」


自然と頬が緩んだ。


「…じゃあな。サヨナラ、ひなの姐さん」



あたしは、深呼吸をした。


そして、あたしの首を絞めるタカシくんの腕に思いきり噛みついた。


「…ってぇ!!」


不意な攻撃に、タカシくんが一瞬怯んだ。


その隙に、あたしはタカシくんの腕から首をすり抜けさせた。


さっき抵抗してもがいたときに、手首と脚首に縛られていたロープも緩んでいた。
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