姫と年下王子たち
ジリッと、レイジはタカシくんに歩み寄る。


「…けどな。副総長より偉いんは、だれや?」


あの威勢のよかったタカシくんが、悔しそうに下唇を噛み、なにも言い返せないというようだった。


「お前より偉いんは、“総長”の俺やねん。勝手に行動すんな。俺に従えへんねやったら…」


レイジは、ナイフを逆手に持った。


「お前が死ね」


背筋がゾクッと凍りつくような、妙に冷たい風が吹き抜けた。
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