姫と年下王子たち
桔平くんの切ない目。


足元に落ちていた小石を蹴飛ばし、桔平くんは長谷川くんのあとを追って行った。


…残された、あたしと絢斗。


辺りが薄暗くなり、ふと空を見上げる。


さっきまで晴れていた空は、今は雲で覆われてしまってどんよりとしていた。


「…クソッ!!」


突然絢斗がそう叫び、体育館の壁に向かって拳を打ちつけた。

壁で傷ついた絢斗の手は、血が滲んでいた。
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